楽器やスポーツの指導においては、習得内容が技能レベルに応じて段階的に区切られています。基礎が固まらないうちに高度な技術を要求することはなく、適切なステップを踏んで練習を重ねることで着実に上達していきます。ところが、学習指導においてはこの「段階の区切り」が曖昧なまま進められるケースが少なくありません。その背景には、学力の未習熟が「思考」や「理解」といった目に見えにくい領域に属していることがあるでしょう。
しかし、勉強も本質的には楽器やスポーツと同じです。現状の学力を超えた課題に無理に取り組ませれば「できない」という結果だけでなく、自信の喪失や学習意欲の低下を招きます。これが学力不振や勉強嫌いの温床となるのは、現場の先生方であれば日々実感されていることでしょう。したがって、学習指導においても「生徒の現状に適した難易度を見極め、そのレベルに応じた課題を提示すること」が不可欠です。
プラス10®︎シリーズは、この課題を解決するための仕組みを提供します。本シリーズでは、すべての問題に難易度が10段階で明示されており、生徒の学力と問題レベルを対応させることが容易です。これにより、講師は「今取り組むべき問題」を客観的に選定でき、生徒に無理なく適切な挑戦を与えることが可能になります。また、生徒自身も「自分はいまレベル○に取り組んでいる」という意識を持つことで、学習の到達度を実感しやすくなります。
言い換えれば、プラス10®︎は「誤った課題選択による失敗体験」を防ぎ、学習を効率的かつ戦略的に進めるための指導支援ツールです。段階的な理解と反復練習を積み重ねることで学力を定着させ、生徒の学習意欲を持続させる。これこそが指導の本質であり、その実践を強力に後押しするのが本シリーズです。